気分次第でいろんなこと。勝手な独り言なのでお気にされませんよう。

着物の反物ってどこで作られているんだろう?と漠然と思ったことはありませんか?大島紬っていうくらいだから、奄美大島?京都?新潟?まぁとにかく、あまり東京23区内で作られているなんて思うことはないんじゃないでしょうか。着物素人の方々は。。。(自分も含む)

けれど、東京都心でも昔から作られている重要無形文化財の反物もあるんですよ。これ、おいらもびっくりしました。「江戸小紋」というものもその中の一つです。

「江戸小紋」という文様は、江戸時代の武士の裃のために作られた模様で、将軍の手前、派手な身なりをすることができないので遠目で見ると無地なのですが、近くで見ると細かい模様が染められていて、武家ごとに専用の模様が決められていて、近くでみると「○○家の武士」とわかるようになっていたそうです。

という、歴史があるわけですが、細かい話はおいといて。。。

その江戸小紋を作っていらっしゃる「小林染芸」さんは、板橋区の高島平にあります。今日はそこで「江戸小紋染め体験」をしてまいりました。小林染芸さんの江戸小紋は、着物には口うるさいおいらの叔母も一目置く逸品で、つい先日、おいらも勇気を出して購入したばかりでした。(江戸小紋は以前から欲しかったし、買うなら後悔のない本物が欲しいと思っていたので。。。)

染体験をする工房はこういうところでした。写真に写っている方は、体験講習をしていただく小林福司さんです。

通常は着尺(約12M)の白生地に型をあてて糊を乗せていくのですが、体験ではそんなことはできないので約2尺(約70cm弱)の白生地を染める体験です。

型はまず水で湿らされます。

それを白生地に乗せ、固定をし、ヘラで糊を塗っていきます。この糊の乗せ具合で模様の出方(江戸小紋の白い部分の太さ)が違ってくるので、慎重に均一に塗っていかねばなりません。型は大きさに限りがあり、白生地は長い(着物用の着尺の場合、約12m)ので、一枚分の糊を塗ったら白生地から型をはがし、模様に切れ目がでないよう、これまた慎重に型を置き直さねばなりません。これが大変っ! 非常に細かい模様だから、ちょっとでもずれると「ここで型を継ぎ足した」というのが明らかにわかるものになってしまいます。また、糊の塗り加減も均一にしなければ、それもまたすぐに影響がでてしまいます。失敗は許されません。

そしてなぜかおいらは、この一番大事な作業途中の写真を撮り忘れました。いやいや、非常に大事な作業だったので写真どころではなかったというのが正直な話。(ホントか?)

で、これが一回目の糊を乗せ終わり、続きの型を載せる直前の写真です。グレーの部分が糊。ここが染めた時に染め残る部分(江戸小紋の白い部分)になります。

右側がまだ白いでしょう?ここに、もう一度型をあてるのですが、継ぎ目がわからないようにするのが大変です。

あ、そして左下の部分がちょっと黒くなっているでしょう。ここは、糊の塗り方を失敗したところです;; 糊を乗せ過ぎたため、模様がつぶれてしまっています。こうなるともう失敗です。出来上がりに染めむらが出ることになります。。。いいんです、体験なんだからっ。でも本物の仕事の場合、これは商品にはならず、台無しになるわけです。

さて、糊を乗せ終わったらそれを乾かします。この時は面積が小さいのでドライヤーで乾かしました。

次に、いよいよ「染め」作業です。本来ならば染料づくりの作業が必要ですが、今回は作っていただいた染料での挑戦です。染料はべとべとの糊状です。さきほどの、グレーの糊が乗った白生地に、直接べたーーーっと乗せていきます。

これまた均一になるよう、気をつけて塗ります。が、今回の体験では糊の時ほどの緊迫感は必要ないようです。茶色に見えるけれど、これはピンク色になる予定です。

そして、一面におがくずをまぶし(染料で生地がくっつくのを防ぐため)、糸を張り巡らせた木の枠にひっかけます。12mの着尺を染める時もここに全部ひっかけるそうです。

次に、作業場所を移動します。染料を乗せた生地を「蒸す」のです。ソーセージ作りの蒸し器ではありません。このようにセットして、

ドアを閉めて、蒸します。この蒸し器は周りはコンクリートブロック、屋根はヒノキでできているそうです。昔はすべてヒノキの蒸し器だったそうですが、劣化が激しく、長年小林家で試行錯誤した結果、この蒸し器が一番使いよい、ということになり、現在に至っているそうです。

蓋をして約20分、待ちます。

このこの間、小林さんは「今、研究してみようと思ってる型紙なんです」と、たくさんの古い型紙を見せていただきました。なんでも、江戸中期頃の型紙らしいということで、江戸時代の町民が来ていた着物用の型なのではないか、とのことでした。これにより、今では珍しい江戸時代の流行りの柄などがわかるそうです。今ではあまり作られない「糸渡しの型」などもあり、非常に興味深いものだそうです。

そんなこんなで、楽しい説明を聞いているうちにあっというまに20分がたち、生地が蒸しあがりました。

パッと見は、蒸す前との変化は全くわかりませんw。

そこで、今度はこれを水でバシャバシャと手洗いをします。染料と糊をすべて洗い流すのです。(写真はこの日一緒に講習を受けたまゆみさん)

これがまた大変っ! この日はあまり暖かい日ではなかったので、水の冷たいこと、冷たいこと。かといって、お湯で洗うわけにもいきません。「冬なんか、大変ですよ」と小林さんがおっしゃってました。そりゃそうでしょう;;

一生懸命洗い流し終わると、やっと作品の完成です。あ、乾かさないといけないけど。

写真はいい感じで切れているので、糊を乗せすぎて染め残っちゃった部分は写っておりません;; 茶色に見えた染料はこんなきれいな色に染め上がるんですよー。

それにしても、なかなか大変な作業でした。細かいところはすべて小林さんご夫妻がフォローしてくれたからなんとかなったけれど、これをずっと、それも12m分、むらのないように手作業で染め上げるのは大変なことだと容易に推察できます。

でもこれをずーっとやってきたのですね。

おいらが買った極鮫小紋(←文様の名前)も、同じような工程で作られたものです。「私の極鮫も、ここで染められて、この蒸し器で蒸されたんですか?」と聞くと「そうですよ」と言われ、ちょっと感動しました。

極鮫小紋、写真で見ても分かる通り、すっごく細かい点々でしょう?これは型もこれだけ細かい型で、それに糊を乗せて染められたんだと考えると「やばい。おいらがやったら、この点々が全部つぶれる。。。」を思ってしまいました; きっとこれもそんなに大きな型紙ではなく、何度も何度も白生地に乗せかえて糊を置いたんだと思います。でもそんなのまったくわからないきれいな極鮫小紋です。見てると細かすぎて目がチカチカしちゃう。。。でもぱっと見は無地ですw これが江戸小紋なんです。

 

Leave a comment

Name: (Required)

eMail: (Required)

Website:

Comment:

 

About Author

Keikei, living in Tokyo with a cat named Teto as my cute family.

メタ情報